静岡新聞より〜薬物依存メカニズム一部解明 浜松医大など、免疫反応因子が関与

静岡新聞2018年3月15日の記事からの抜粋

浜松医科大(浜松市東区)総合人間科学講座の中原大一郎名誉教授や埼玉医科大の村上元講師らの研究グループが、依存物質の継続的な摂取によって免疫反応に重要な因子「MHCI」がドーパミン神経細胞で減少し、薬物依存が起こるメカニズムの一部を解明した。

15日に米国科学振興協会の科学誌オンライン版で発表する。

これまでの研究では、身体に快感を与える神経伝達物質「ドーパミン」を放出するドーパミン神経細胞に他の神経細胞が過剰に結合して薬物依存が起こることは分かっていたが、過剰な神経結合が形成される要因は明らかにされていなかった。

中原名誉教授によると、免疫反応の働きに加えて神経結合を切り取る役割を持つMHCIについても、ドーパミン神経細胞での機能は研究されていなかったという。

今回の研究は、正常なマウスと人為的に遺伝情報を変化させたマウスに依存物質のコカインを長時間摂取させた。

その結果、MHCIの機能が欠損したマウスは過剰なコカインの依存行動を示し、MHCIがコカイン依存のメカニズムに重要であることを発見した。

さらに、正常のマウスがコカインを摂取すると、神経結合を切り取るMHCIがドーパミン神経細胞で減少し、同細胞とグルタミン酸神経細胞との過剰な結合が形成されることが分かった。

ドーパミン神経細胞は発達障害などの精神疾患にも関わっている。中原名誉教授は「研究で分かったMHCIの働きは、発達障害などのメカニズムの解明にも役立つ可能性がある」と期待する。