28th NADA Conferenceレポート④

2:00 pm-4:00 pm

Plenary Session III~NADA International

(NADAインターナショナル)

Mette Wiinblad, Moderator

(Metteさん:進行役)

Adelheid Luchtrath: NADA for PTSD Among Refugee Populations

(アデル:ベルリンのチュニジア難民PTSDのためのNADA)

Janet Paredes: Facing the Challenges of the Philippine Drug War with NADA

(ジャネット:フィリピンDrug Warの課題とNADAフィリピン)

Rita Nilsen: NADA in Norway Expands Into Multiple Health Sectors

(リタ:NADAノルウェーが複数の健康保険分野に拡大)

午後からは、チュニジア、フィリピン、ノルウェーのNADAの代表の方々のお話です。

NADAの活動の3本柱は

・薬物依存症

・PTSD トラウマ

・発達障害

になります。

NADAプロトコルは薬物依存症への治療が有名ですが、先の講演にもあったように、PTSDの回復にも、とても大きな助けとなっています。

難民の多くは祖国からの脱出中やその前後に、言葉では言い表せない様々な辛い苦しい経験をされています。その経験がトラウマになり、後の人生をも苦しめることになります。

ベルリンではチュニジア難民に対し、NADAプロトコル導入によって、PTSDの苦しみを軽減しています。

フィリピンでは、現大統領による強硬な薬物政策がとられています。

そういった中で、NADAフィリピンはまずはストリートチルドレンの救済に力を入れています。

強硬政策によって、子供達が犠牲にならないよう、薬物から守ることが先決だと考えています。

ノルウェーでは、NADAは様々な健康保健分野で取り入れられています。

薬物依存、行動障害、PTSDなどで毎年36000件に対応しているとのことでした。

ANTA(Alcohol Narcotics Tablets Addiction)コースというpeer education programがあるのだそうです。

4:00 pm-4:30 pm  Refreshment Break(休憩)

NADA Treatments

Location & Needle Safety Review for all ADSes

4:30 pm-6:00 pm

Plenary Session Ⅳ~How Does NADA Work Get Funded?

(いかにしてNADAは基金を手にしたか?)

Denise Romano, Moderator

(デニス:進行役)

Cindy Jimenez: Supporting NADA Services at a Community Health Center (CO)

(シンディ:コロラド州Community Health Center )

Sybil Marsh: Finding Staff Time to Sustain NADA in a Methadone Program (OH)

(シビル:オハイオ州メサドンプログラム)

Glynis Simmons: Securing NADA Acupuncture Through the Ryan White Care Act (NY)

(グリニス:ニューヨーク州Ryan White Care活動)

Smith-Butterwick: Funding NADA Programs Through Federal Block Grants (MI)

(スミス:ミシガン州連邦政府補助金)

1日目最後は、どうやって資金を調達してきたか?というお話です。

私自身の大きな課題でもあるので、耳を大きくして聞きましたが、

「ん?なんか全然違う話だぞ?」という内容でした。。。ちょっと残念。

面白かったのが、ニューヨーク州のグリニスのお話でした。

彼女は元crack cocaine(カサ増しするために混ぜ物が入った純度の低いコカイン)中毒で、リンカーンホスピタルに通い、NADAプロトコルを受けたことによって回復し、自らもADSカウンセラーになった一人です。

彼女はNADAの資金調達のために、crack cocaineを入手した時のノウハウを活かしたのだそうです。

彼女の手にかかれば、書類をちょろまかしてモノを手にすることなどカンタンなことだそうで(笑)

ウソかホントかわかりませんが、資金を集めるために、あの手この手を駆使して目標を達成する前向きな姿勢は大いに見習いたいと思いました!

以上で1日目終了です。

1日目のカンファレンス後は、Sachiko先生と今後のNADA JAPANの方向性などをじっくり話しました。

Michael Smith先生とNADAスタッフがニューヨークブロンクスのリンカーンホスピタルで始めたNADA。

その精神(NADA SPIRIT)は、NADAプロトコル5NPを一人でも多くの依存症やPTSDで苦しんでいる人に届けることです。

5NP習得は難しくはありません。

が、このプロトコルを必要としている人へ届けるために超えなければならない壁がいくつもあるのが現実です。

アメリカでも、ADS法が認められていない州では鍼灸師しか施術できません。

しかし、それではNADA SPIRITを多くの人に届け実践することができないのです。

薬物依存症やPTSDに関わる全ての人、裁判官、施設スタッフ、カウンセラー、看護師等が、このNADAプロトコル5NPを習得し、実践する世界がMichael Smith先生が描いているNADA SPIRITなのだと思います。

日本でも耳鍼は鍼灸師と医師しか施術できません。

が、現状、医師や鍼灸師がこの問題に対して関心があるのか、と言えば答えはNOの方が多いでしょう。

そういった現状を踏まえ、NADA JAPANは今後どのように進んでいけばいいのか?

全ては「ストレス・PTSD・依存症者とその家族に心の平和と自然治癒力を」という思いで、前に進んでいこうと思います。