7月21・22・23日に大阪で開催された第13回NA日本リージョナルコンベンションin大阪(JRCNA)に初めて参加しました。
まずはNAをご存じない方のために、NAについて簡単にご説明します。
以下-Narcotics Anonymous Japan Official Siteより抜粋。
■NAについて
ナルコティクス アノニマス(NA)は、薬物依存からの回復を目指す薬物依存者(ドラッグアディクト)の、国際的かつ地域に根ざした集まりで、世界116カ国以上で、毎週33,500回を越すミーティングを行っています。
■プログラム
メンバーの間で『ホワイトブック』と呼ばれている、NAで最初に発行された『ナルコティクス アノニマス』というパンフレットの中で、NAはこう説明されています。「NAは薬物が深刻な問題となった者たちの非営利的な集まり、いわゆる会である。私たちは回復の道を歩むアディクトであり、定期的に集まってお互いがクリーンでいられるよう手助けし合っている。(略)あなたが何をどのぐらい使ったか(略)ということに私たちは興味を持たない。私たちに関心があるのは、あなたは、今抱えている問題をどうしたいと思っているのか、私たちはそれをどうやって手助けできるのかということだけだ」
-Narcotics Anonymous Japan Official Siteより。
詳しくは、ナルコティクス アノニマス日本のHPをご覧ください。http://najapan.org/
そして、NAコンベンションとは?
NA日本リージョナルコンベンションでは海外からの参加を含めた全国の仲間が一堂に集まり3日間にわたり 経験と希望を分かち合います。-Narcotics Anonymous Japan Official Siteより。
というイベントです。
では、私がこのイベントに参加して、感じたことをお話ししようと思います。
今年のテーマは「Never Alone 決して一人ではない」というものでした。
私は21日のオープニングから参加させていただいたのですが
オープニングの「和太鼓」の迫力は鳥肌ものでした!
初めて間近で和太鼓の演奏を聴いたのですが、あんなに重厚で躍動感があって、それでいてどこか静寂な部分があって、本当にもうすごかったです!
10年15年ずっとやってこられて「もう飽きた(笑)」と仰っていましたが、いやいやそう言わず(笑)ずっとやってください、お願いします。もっともっと聴いていたいと思いました。
写真が無くて残念です。本当にかっこよかったんですから。
メインホールでのプログラム以外にも様々なワークショップ等が開催されていましたが
私は初めての参加だし、当事者ではないし、ちょっと気おくれしてしまっていたので
聞いてみたいワークショップもあったのですが、メインホールでのプログラムのみ聞かせていただきました。
なんといっても感動的だったのは、22日の「カウントダウン」でした。
このイベントにお誘いいただいた木津川ダルクのスタッフの方から
「感動するよー」と聞いていたので、感動を期待(?)していたのですが、その期待を大きく大きく上回る超感動でした。
カウントダウンは、クリーンタイム40年からスタートし
初めは1年ごとに39年、38年、、、36年、、、20年、、、10年、、、1年
次は1か月毎、11か月、、、2か月、1か月
そして1日毎10日、、、2日、1日(Just for today)まで
それぞれの年、月、日がコールされると、立ち上がって、周りの人たちとハイタッチしたり、胴上げしたてもらったり、ハグしたり。
ノリノリの人もいれば、恥ずかしそうに立ち上がる人。
それを讃える人たちも心からの全力の拍手で回復を讃えあいます。
拍手って、「とりあえず」の拍手と「全力」の拍手がありますよね。
この時の拍手はほんとに手が腫れるんじゃないか?と思うぐらい「全力」の拍手だったんです。
この全力拍手の音、波動。これはほんとにしびれます。
そしてなにより素晴らしく感動的だったのは、1日(Just for today)
クリーンを何年も続けている人を目の前にして、自分はたった1日と思うと、私だったら、その場に行くことすら恥ずかしいし、できれば行きたくない、と思ってしまうのではないかと思います。
それでも彼ら彼女らはその場に行き、そして「1日」のコールで立ち上がった。
―その勇気と想いに胸が熱くなりました。
本人の勇気と想いも素晴らしいし、同時に、「Just for today」を讃え大事にする
そんな仲間たちの眼差しの温かさに、このコミュニティーの懐の深さを感じました。
私が「薬物依存症」に関わって1年。
この1年いろいろな会やイベントに参加させていただきました。
そのたびに「自分には何が出来るのだろう?」と考え込んでしまうことが多く
自分の無力さに落ち込んだりすることが多かったのですが、このイベントに参加し、考え方が変わりました。
何もしなくていいんだと。
回復は誰かにさせてもらうものでもなく、ましてや回復を仕向けるものでもなく
ただそこに一緒に居て、同じ空気を吸い、言葉を聞き、ハグして、そして自分の心をオープンにすればいい。
それが回復というものなんじゃないかと気づきました。
とは言え、私たちNADAにはNADAプロトコルというものがあり、
それが回復への道程で何らかの役割を果たせるよう努めていくことが本分です。
そこはしっかりとやっていかなくてはいけません。
そういう想いと気づきのチャンスを与えられたことに感謝した2日間でした。
また、このイベントの間中、ずっとこの聖書の言葉が頭の中にありました。
〜コリント人への第1の手紙13章
・たといわたしが、人々の言葉や御使たちの言葉を語っても、もし愛がなければ、わたしは、やかましい鐘や騒がしい鐃鉢と同じである。
・たといまた、わたしに預言をする力があり、あらゆる奥義とあらゆる知識とに通じていても、また、山を移すほどの強い信仰があっても、もし愛がなければ、わたしは無に等しい。
・たといまた、わたしが自分の全財産を人に施しても、また、自分のからだを焼かれるために渡しても、もし愛がなければ、いっさいは無益である。
・愛は寛容であり、愛は情深い。また、ねたむことをしない。
・愛は高ぶらない、誇らない、不作法をしない、自分の利益を求めない、いらだたない、恨みをいだかない。
・不義を喜ばないで真理を喜ぶ。
・そして、すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてを耐える。
・いつまでも存続するものは、信仰と希望と愛と、この三つである。このうちで最も大いなるものは、愛である。
会場には間違いなく愛がたくさんありました。溢れかえっていました。
そしてその愛があるからこそ、これだけの感動と笑顔なんだと思いました。
SNSが発達し、個人主義の世の中。
これだけあっちこっちでハグハグなイベントって、そうないんじゃないかと思います。
自然に握手してハグして、そんな仲間がいるってすばらしい。
私は誰ともハグできませんでしたが(泣)
最後に、このイベントに誘ってくださった木津川ダルクのスタッフさん、イベントを支えたJRCNAスタッフの皆様に、心からの感謝を込めて、御礼を申し上げたいと思います。
本当にありがとうございました。
3日間お疲れ様でした。
そして、来年もまた参加させていただければうれしいです。
2017.7.24
一般社団法人NADA JAPAN
上原 千奈都