依存症の原因? 薬物の摂取でしょ?いいえ。実はそんなに単純ではありません。
この動画はヨハン・ハリ著のニューヨーク・タイムズ ベストセラー『Chasing The Scream: The First and Last Days of the War on Drugs』を元に制作されました。
麻薬や覚せい剤等の違法薬物は、それらを摂取することで依存症や中毒になると考えられていますが
実際には、そんな単純なことではありません。
ジャーナリストのJohann Hari(ヨハン・ハリ)氏は、身近にいる薬物依存症患者を助ける方法はないかと考え、
世界中の中毒経験者や中毒について研究している研究者に会いに行きます。
3万マイルを旅して、たくさんの人に会った彼が気付いたことは
「中毒について知られている全てのことは間違っている」
ということでした。
骨折した患者が病院に入院すると、痛み止めの「モルヒネ」を投与されることがあります。
「モルヒネは麻薬」
しかも、病院で使われるモルヒネは街で売られているモノより強い効果があります。
病院では多くの人がモルヒネを連日投与されています。
もし、薬物の摂取だけが依存症の原因なら、
退院したら中毒になるのでは?
しかし、彼らが中毒に陥ることはありません。
それはなぜでしょう?
20世紀の実験。1匹のマウスにコカイン入りの水と普通の水を与えました。
コカイン入りの水を飲み続けたマウスは中毒になり死んでしまいました。
しかし、この実験に、ある一人の心理学者・ゴールドシュタイン教授が疑問を持ちました。
「なぜ1匹で実験するの?」
この単純な疑問がやがて大きな成果を生むことになります。
彼はネズミを、1匹でなく数匹、「ネズミの楽園」に入れました。
ネズミ達は友達や恋人、家族を作れる環境を与えられました。
そして、同じよう実験を開始。
再び、コカイン入りの水と通常の水を置いてみました。
マウス達が飲んだのは普通の水でした。
麻薬中毒になったマウスは1匹もいなかったことが判明しました。
1匹だったらコカイン入りの水を飲み、ネズミの楽園では普通の水を飲む。
これは一体どういうことでしょうか?
これと同じことが人間にも起こっていました。
それはベトナム戦争での出来事です。
ベトナム戦争では実に20%のアメリカ人兵士が麻薬を使用していました。
終戦後、帰国した兵士達により中毒患者が増えるのではないかと懸念されていましたが
実際の追跡調査で驚きの結果がでました。
なんと95%の人達が麻薬の使用をやめていたのです。
戦争という恐怖、いつ襲われるか分からない緊張感、死の恐怖と死の影が付き纏う中ジャングルの中で過ごす日々、気が狂いそうになってもおかしくありません。
そんな中使う麻薬は最高の現実逃避となります。
しかし、彼らが家族の元に帰った時、それは「孤独の檻」からも解き放たれたということ。
人と人が繫がる、ましてや最愛の家族の元に戻ることは麻薬なんて必要なくなる。
中毒患者に必要なのは、人と関わること。人と繫がることだとこの動画は主張しています。
人との繋がりが薄い人はSNS、ギャンブル、ゲームやクスリにのめり込む傾向にあります。
でも、これは人間の本能だといいます。
何かにすがり付いてしまう悲しい本能。
しかし、この不健康な繋がりを絶ち、健全な繋がりを持つことで依存から抜け出すことができるのです。
人は人との繋がりの中に幸せを見いだします。
中毒は個人の問題ではなく社会で話合うべきです。
孤独の檻を作るのではなく、お互い歩みより繫がっていくことが依存からの脱出。
中毒の反対は正常ではなく、『つながり』なのです。
出典 https://www.youtube.com
Addiction
(記事は一部、http://spotlight-media.jp/article/260087421637936026 から抜粋しました)
社会での繋がりを見直すことで、中毒の問題を解決する糸口が見えてくるのではないでしょうか。